出典:
https://movies.yahoo.co.jp/
ポン・ジュノ監督の作品に魅了されて本日は2014年公開の「スノーピアサー」を観ました。
どうやらポン・ジュノ監督としては初めての英語作品で全体の80%が英語で撮られています。
韓国語部分は「ソン・ガンホ」「コ・アソン」のみが話しています。
この2人は2006年公開の「グエムル」でも親子役を演じているので、ポン・ジュノ監督のお気に入りなんでしょうね。
日本でいうなら宮藤官九郎が自身の作品に「阿部サダヲ」「古田新太」「長瀬智也」を頻繁に起用する感覚に似ている気がします。(分かりづらい?)
あらすじ
地球温暖化を防ぐべく世界中で散布された薬品CW-7により、氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。
生き残ったわずかな人類は1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。
車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が立ち上がり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。
引用:
https://www.cinematoday.jp/index.html
アクション系は苦手だけどやっぱりポン・ジュノ監督の世界観は好き
私は基本的にアクション系、SF系、グロい・痛い系が苦手です。
が、「スノーピアサー」には見事にすべての要素が入っていました(笑)
正直開始5分くらいから「これは苦手なやつだなー」と思いつつも、ポン・ジュノ監督の世界観を感じたいという理由で視聴続行。
激しい乱闘シーンなのに突然「HAPPY NEW YEAR」と祝い出しちゃうシーンや、教室になっている車両では楽しそうな雰囲気なのにめちゃくちゃな洗脳映像を子供に見せていたり、教師が銃乱発し始めたり、笑っていいのかどうなのか分からないブラックジョーク具合がポン・ジュノ監督っぽくてお気に入りです。
とにかくソン・ガンホの存在感すごいよ
私はこの映画を観て確信しました。
「私、ソン・ガンホが大好きなんだ」って。
恋心に気づいた乙女のようになってしまいましたが、スノーピアサーを最後まで観られたのはソン・ガンホが出ていたから。
もう・・・渋いんですよ。
ロッカーから叩き起こされてタバコ吸い始めちゃうところとかゾクゾクしちゃいましたね。
あとは英語が苦手なのかなんなのか頑なにソン・ガンホだけ韓国語ってところもいい(笑)
でも韓国語しゃべってるソン・ガンホ好きなので英語じゃなくてよかったむしろ。
開始30分経ってようやくご登場なのでいまかいまかと待ちわびてしまいました。
出てきた瞬間私のテンションはMAX状態、、、!
ソン・ガンホが出るだけここからおもしろくなるぞー!って感じがします。
すごい存在感の俳優さんだ。。。
スノーピアサーが描くのはやはり社会問題
一定数の人数が集まると格差社会ができるということを列車という狭い舞台の中で描いているのがポン・ジュノ監督らしいです。
そして定期的に人数のバランスを取って生態系を保つ・・・って発想も当たり前といえば当たり前だけどそれを人間に対してやってしまっているという人の心の闇が描かれています。
最後の方に列車を創ったウィルフォードと主人公のカーティスからの視点で後部車両を見たときの映像が印象的でした。
目の前で人が殺し合いをしていても映画のように見えてしまう感覚。
立ち位置が変わるとこんなにも見える世界が違うんだなーと感じました。
カーティスの心が一瞬揺らぐ描写もよかったです。
人間らしいというか。
自分だったらどの道を選ぶだろう、、、って考えさせられました。
ラストはハッピーエンドかバッドエンドか
ポン・ジュノ監督作品あるある
「ラスト後はみなさんのご想像にお任せ」パターンでした。
ソン・ガンホ演じるナムグン・ミンスの娘ヨナと最下層の子供ティミーのみが生き残り外の世界で白熊を見つける、、、というところで映画は終わります。
ソン・ガンホが途中窓の外であるものを見つけた、って言ってましたがそれが白熊だったんじゃないか、と思いました。
凍ったはずの外の世界に生態系が戻りつつある・・・と考えれば希望が見えます。
が、たった1匹白熊がいたところで雪や氷で覆われた世界でどうやって生きていくんだとも捉えることができます。
「生きる希望があるようでない」
と私は思いましたが、みなさんはどうでしょうか。
なにはともあれソン・ガンホとポン・ジュノ監督のタッグはハズレなしです。
次回は「殺人の追憶」観ます。