出典:
https://movies.yahoo.co.jp/movie/334058/
今日もAmazonプライムにお世話になる日々を送っています。
今回観たのは2009年に公開された韓国映画「母なる証明」です。
今年アカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト」のポン・ジュノ監督の作品です。
もうそれだけで期待が高まります。
あらすじ
1人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らす母(キム・へジャ)。
ある日、街で女子高生が殺される殺人事件が起き、その容疑者としてドジュンが逮捕されてしまいます。事件の解決を急ぐ警察はドジュンを犯人と決めつけ、雇った弁護士も頼りにならない状態。
そこで母親は一人で真犯人を探し出し息子の無実を証明しようとします。
ウォンビンの純粋さが起用理由
ウォンビンといえば20004年前後の韓流ブームの際に「韓流四天王」と呼ばれた1人です。
あとの3人はぺ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、イ・ビョンホンです。
私は当時中学生だったので「お母さんがヨン様にお金使いすぎててやばい」なんて話をよく聞いていたのが懐かしい。
他の3人に比べて5歳ほど若いウォンビンのこと私も当時から大好きでした。
現在は40歳を越えましたが、若い頃と変わらないルックスが話題にもなっているほど「好青年」「純粋」という言葉がぴったりです。
それこそまさにこの「母なる証明」に起用された理由でもあるようです。
映画では母親が息子の無実を証明するため、底知れぬ強靭さと行動力を発揮します。
そこまでして母親を突き動かす「純粋で不安要素もある息子」としてオファーを受けたのがウォンビンです。
期待通りのモヤモヤ感を残してくれるポン・ジュノ監督
ポン・ジュノ監督作品といえば「後味の悪さ」「モヤモヤ感」というイメージです。
これまで手掛けた作品
パラサイト〜半地下の家族〜
グエムル
もかなーーーり後味悪かったです。
でもそれが良いんです。
「えぇ!ここで終わりなの!?」
「なになに、どういうこと?」
「・・・胸糞悪い(口が悪い)」
大体ポン・ジュノ監督の映画を観終わった人はこう感じるはずです。
「母なる証明」もまさにこれに該当します。
そもそもオープニングからなんだか不気味だし意味が分からない。
そんなことを思っているとどんどん作品に引き込まれていきます。
やっぱポン・ジュノ監督最高でした。
伏線回収(ここからネタバレ)
結局真犯人は息子のトジュンでした。
ただ犯行現場を目撃していたホームレスを母親が殺して家まで燃やしてしまったり、トジュンの代わりに冤罪で捕まった犯人を目の前にしても真実を告白しない、というなんとも後味の悪い結末です。
さらにトジュンがホームレスの家の焼け跡から母親の鍼道具箱を見つけ、それを手渡す場面があり、母親はここで動揺しまくります(当たり前ですが)。
母親は劇中、ことあるごとに「嫌なことを忘れられるツボがあるのよ」といろんな人に言っていますが、トジュンから鍼道具箱を渡された後、自分でそのツボに鍼をさしてしまいます。
何度もツボの話をする割に人にささないなーと思ったら「自分でさしちゃうんかい」という結末。
人を殺してその事実を隠し、さらに息子を助けるために別の人に罪を着せる。
最終的には現実逃避しちゃう。
というすごい展開です。
結局親子そろって殺人犯になってしまう、という救いようのない展開がポン・ジュノ作品らしいです。
トジュンが「バカ」と言われると激昂する場面が何度かありますが、この「バカ」というセリフが殺人のきっかけになっているところも痺れます。
そしてトジュンが女子高生を殺害する瞬間、現場に知的障害者・援助交際している女子高生・ホームレスという「社会的弱者」である3人が居合わせているというところもおもしろいです。
社会の闇を凝縮したような場面で好きです。
さいごに
結末がかなりもやっとするので「このあとどうなったんだろう」と妄想したい人にはとーーってもおすすめの映画です。
次回はまたまたポン・ジュノ作品の「殺人の追憶」観たいと思います。