出典:
https://www.amazon.co.jp/
ゴールデンウィークが明けてから自粛ムードはやや緩和気味ですが、引き続き気を引き締めなければな、と思いながら日々過ごしています。
先日Twitterで「韓国3大未解決事件」をもとにした映画があるというつぶやきを見て、Amazonプライムで視聴可能だったため、さっそく観てみました。
韓国3大未解決事件を題材にした映画は「殺人の追憶」(2004年)「あいつの声」(2007年)「カエル少年失踪殺人事件」(2011年)がありますが、今回観たのは一番最後に映画化された「カエル少年失踪殺人事件」です。
モデルとなった事件について
1991年3月26日。大韓民国大邱の城西国民学校に通っていた5人の小学生が一度に行方不明になりました。失踪発覚直後、警察や軍を動員して捜索活動が行われましたが、結局手がかりは見つかりませんでした。
そして事件発生から11年が経過した2002年9月、少年たちのものと思われる白骨死体が発見されました。検死の結果、死因は他殺によるものと判明しましたが捜査に大きな進展がなく犯人も分からないまま2006年3月26日に時効を迎えました。
またカエル少年失踪殺人事件のカエルは少年たちが「カエルを取りに出かけてくる」と言って家を出たことからこう呼ばれるようになりました。
映画を観た感想
モデルとなった事件が未解決事件なだけにものすごく後味の悪い内容です。
ラストの犯人と主人公が格闘するシーンは脚色らしいので(当たり前か)やや不自然さはありましたが、そのほかの描写はリアリティがあって胸に来るものがありました。
子供が行方不明になり、親が疑われる
子供のふりをしたイタズラ電話がかかってくる
ただでさえ子供がいなくなって落胆している親に対するひどい仕打ちの数々。
しかし実際に起こっていることだと思うと胸が痛いです。
劇中で「自分の子供を殺すわけない」というセリフも出てきますが、実際には親が実の子を殺すという事件は多数あるので皮肉な話です。
心に刺さったセリフ
犯人だと疑われた失踪少年の1人・ジョンホの父親が、家宅捜索をされた日の夜、ジョンホの母親に言ったセリフ。
「自分が疑われるのはどうでもいい。ただみんなが息子を死んだと思っている。
誰も否定してくれない。生きていると言ってくれる人がいない。」
そしてジョンホの母親は息子の遺体が見つかったあとに「失踪の2ヶ月後に息子からかかってきたと言った証言は嘘だった」と告白します。
なぜそんな嘘をついたのか。
それは
「そういえば息子を探してくれると思ったから。」
ジョンホの両親のセリフから伝わったことは
「親はただ子供が生きて帰ってきてくれることだけを願っている」ということです。
両親の気持ちが痛いほど伝わってくるセリフ。
私の涙腺はここで崩壊しました。
さいごに
事件は時効になっても苦しみ続けている被害者家族がいる。
「カエル少年失踪殺人事件」は未解決の事件を風化させてはいけないことを教えてくれました。
すっごく気持ちが暗くなるけれど、ぜひ一度は観て欲しい映画です。