出典:
https://www.toho.co.jp/index.html
「感染列島」
この題名を聞いて「まさに今の日本の状況じゃん」と思ったのは私だけではないはず。
Amazon プライムでもおすすめ動画に出てくるのでこの時期観ている人が多いんだろうなーと思います。
明らかにバッドエンドっぽいしちょっと観るのををためらっていましたが、こういう機会でもないと一生観ずに終わりそうだったので今回鑑賞いたしました。
結果からいうと「観てよかったー!」です。
◆感染列島とは
2011年1月。日本で原因不明のウイルスが蔓延します。
その現場の最前線で闘う医師の松岡剛(妻夫木聡)、小林栄子(檀れい)の2人を中心に日本でウイルスが蔓延したらどうなるのか?を描いた作品です。
2011年7月にワクチンが開発されますがそのころには感染者3950万人、死亡者1120万人いう犠牲者が出ています。
現在のコロナウイルスはここまでとはいきませんが「正体不明のウイルス」「ワクチンがない」「医療崩壊」という点ではとても似ているし映画の話、と割り切ることはできないと思います。
※ここからはネタバレになりますのでまだ観ていない方はUターンでお願いします。
◆発生源と疑われた養鶏場のオーナーの自殺
映画の前半で原因は「新型鳥インフルエンザ」だとして最初に鳥インフルエンザが発見された養鶏場のオーナーが自殺する場面があります。
発生源と疑われたために家に石を投げ込まれたり、嫌がらせの電話が鳴り止まなかったり、養鶏場の娘は学校でいじめにあったり、と実際に起こりうるリアルな状況が描かれています。
そして実は原因が「鳥インフルエンザ」ではなく「正体不明のウイルス」だと判明する前日、養鶏場のオーナーは自殺してしまいます。
この映画で一番リアルなのがこのオーナーの自殺の場面ではないかと感じました。
匿名なのをいいことに他人を誹謗中傷するというのは最近SNS上で芸能人を相手によく行われていて問題になっています。
そして匿名かつ不特定多数の人がいることで仮に対象者が自殺したとしても罪の意識が薄くなるのではないかなと思いました。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」ってやつでしょうか。
こういう噂に惑わされてむやみに人を誹謗中傷することがないようにしたいなと思います。
◆重い題材の中で救われる非リアルな場面
劇中、主人公の松岡演じる妻夫木がウイルスの発生源と思われる東南アジアのアボン共和国に自ら出向くシーンがありますが、さすがに一介の医者がそんな危険な場所に単身乗り込むわけはないだろーという非リアルな場面があります。
また小林演じる檀れいがウイルスに感染し、まさに絶命しようとするところに妻夫木が到着。
最後にちゃんとお別れができるという都合の良さ。
実際あんなウイルスまみれの場所にマスク1個で乗り込んだら100%感染するだろ!と思いますし、そんな都合よく檀れいが意識取り戻してお別れ言えるわけないでしょうがとも思いますが、この非リアルなシーンがあるのでなんとか観ている側も救われます。
◆さいごに
檀れいが妻夫木から医者になった理由を聞かれ、亡くなった弟の大好きな言葉として紹介するのが
「たとえ明日地球が滅びるとも今日君はりんごの木を植える」です。
宗教革命の中心人物となったマルチン・ルターの言葉だそうです。
解釈はそれぞれですが、「今日できることを精一杯やろう!」と思わせてくれる力強い言葉ですね。
コロナの影響で生活でいろいろな変化がおきますが、私も「今日できること」「いまできること」を着実にやっていこうと思います。