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全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。
引用元:https://filmarks.com/movies/83796
半地下で暮らすキム一家は家族4人が失業中。
(兄妹は大学進学を目指して勉強中)
健康で働き盛りの20~50代の大人が4人とも失業中なんてありえるの?と思ってしまいますが、韓国は現在20代の失業率が20%(フリーター、就職浪人含む)になっているそうなので十分あり得る話ですね。
健康な大人4人が無職という状況があり得ることにまず衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。
日本なら健康で働く気がある人なら仕事はありますし、時給1000円のバイトでも月20万くらいはいけると思います。
また半地下という家の構造にも驚きますが、日本のボロアパートと考えるとイメージしやすいかな、と思います。(どうやら昔、防空壕用につくられた場所を住居にしてたため半地下なのだそう)
それにしても映画を通してキム一家の兄妹は頭の回転も速くコミュ力もある印象なので、
この2人が浪人しているという設定の裏に韓国の激しい「受験戦争」という問題が見えてきます。
韓国社会では、大手企業=勝ち組の図式が成り立っていますし、大手企業に入社するには「高学歴」が必須なので何度浪人しても良い大学に入りたいという気持ちは理解できます。
ただキム一家の兄妹の頭の良さを見ている限り、こんなに優秀な人たちでも浪人してしまうなんて韓国の「学歴社会」問題ははかなり深刻そう。
いきなり英語の家庭教師頼まれても普通できません(笑)
母のチュンスクも過去にハンマー投げでメダルを取ったと分かる場面があるので「健康で才能や力がある人でも貧困に陥る」という韓国社会の闇を見せてくれる映画です。
この映画のテーマは「格差社会」「貧困」ですが、一貫して描かれているのは「父の劣等感と自尊心」です。
裕福な家庭と触れ合うことで感じる「劣等感」
父として、夫として、男としての「自尊心」が見え隠れするのがこの映画のおもしろく深いところだなーと思いました。
冒頭ピザの箱をつくる内職のシーン
「4箱に1箱は不良品だ」とピザ屋の人に言われるシーンがあるのですが、この不良品1箱は父、ギテクが作っているものなんじゃないかな?と思いました。
家族4人で内職をして4箱に1箱が不良品って要は誰か1人が不良品を作っているのでは?と想像させられます。
私がなぜこの不良品はギテクが作っているものだと思ったかというとキム一家の中で唯一劣っていると感じたのが彼だからです。
頭の回転が良く機転も利く兄妹、元アスリートの妻、そしてギテクにできることは車の運転だけ。
そんな家庭内での「不良品」であるギテクを表しているのがこのピザ箱のシーンだったのではないかと思います。
ギテクが自分の作った箱が不良品といわれていることに気づいているのか気づいていないのかは分かりませんが、こんな細かいところまで観ている側に想像させてくれる演出がすばらしいです。
息子は一貫して父に敬語を使う
韓国では両親に敬語を使うことは珍しくないですが、この映画ではそれが強調されているような気がします。ギウの父への尊敬を感じますし、ギテクの自尊心は息子に尊敬されることで保たれていたのかな?とも思います。
どんな状況でも自分を尊敬してくれている子どもにかっこいいところを見せたい、と思うのは当然かもしれません。
このお互いの気持ちを考えながら大雨で避難した体育館での2人の会話を見ているとなんとも言えない気持ちになります。
これが父と息子が面と向かって話す最後になるのだと思うと胸が締め付けられます。
パク社長から言われた「臭い(におい)」
なんとも表現できない「半地下の臭い」
においって普段の生活でもかなり繊細な話題ですよね。
自分では気づかないことだからこそ「くさい」と言われたときは傷つきます、、、
特にリビングにギテク、ギウ、ギジョン3人で隠れいているとき、ギテクの「におい」についてパク夫婦が話している場面は観ていて辛くなりました。
子どもの前で「におい」の話をされてしまうなんてギテクの自尊心はボロボロですよね。
そのあと這って豪邸から脱出するシーンもなんだか切ない、、、。
パク社長に「奥さんを愛しているんですよね」と問うシーン
移動中の社内で1回、パク社長の息子ダソンの誕生日パーティーで1回ギテクはパク社長へこう聞いています。パク社長は少し間をおいて「もちろんです」と答えます。
生活のレベルは違っても「愛」という共通点をパク社長に見出そうとするギテク
運転手や家政婦の仕事を尊敬するといいつつも「一線」を引いているパク社長
同じ「父」と言う立場の2人なのに富裕層と貧困層には越えられない壁があるのだと感じさせられました。
少しでもパク社長に歩み寄ろうとする自分という存在を拒否されたように感じたギテクの気持ちがクライマックスの悲しい事件につながります。
いや、もうこの映画考えれば考えるほど深すぎて1回では書ききれないんですけど、、、!!
ということでまた次回もパラサイトについて引き続き書きます。(終わらない気がする笑)